SDGs(持続可能な開発目標)とWell-being(ウェルビーイング)の間には密接な結びつきがあります。
今回はそれぞれのゴールごとに、Well-being(ウェルビーイング)とのつながり、現状、課題について、簡単にまとめてみます。
GOAL1. 貧困をなくそう
ウェルビーイングとのつながり:
貧困を解消することは、生活の質、健康、教育機会へのアクセスを改善し、個人の幸福感を向上させます。
現状:
世界の貧困率は徐々に減少してはいるものの、新型コロナウイルスの影響で貧困層が再び増加しています。
課題:
極度の貧困の解消には、経済成長の促進と同時に、社会的セーフティネットの強化が必要です。
GOAL2. 飢餓をゼロに
ウェルビーイングとのつながり:
栄養のある食事は身体的、精神的な健康に直結し、ウェルビーイングを大きく向上させます。
現状:
飢餓に苦しむ人々の数は減少していない上、食糧安全保障が不安定な地域が増加しています。
課題:
農業の効率化と食料分配の公平化が必要です。気候変動の影響が悪化し、このままでは食糧危機が懸念されるため、持続可能な農業技術の普及が求められています。
GOAL3. すべての人に健康と福祉を
ウェルビーイングとのつながり:
健康は直接的に幸福感と関連し、身体的および精神的な健康の改善がウェルビーイングを向上させます。
現状:
多くの国で医療サービスへのアクセスが改善されていますが、低所得国では依然として医療格差があります。
課題:
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現には、医療インフラの整備と予防医療の強化が不可欠です。
注:UHCとは「すべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる」こと
GOAL4. 質の高い教育をみんなに
ウェルビーイングとのつながり:
教育は自己実現や社会的参加を促し、個人の成長と社会的幸福感を高めます。
現状:
教育機会が増えているものの、特に貧困地域や紛争地域では教育の質が低く、ジェンダーや障害の有無による格差も大きくなっています。
課題:
教育の質の改善やインフラの整備、教師の育成が必要です。
GOAL5. ジェンダー平等を実現しよう
ウェルビーイングとのつながり:
ジェンダーの平等はすべての人が公平な機会を得られる環境を作り、個人の自尊感情とウェルビーイングを高めます。
現状:
女性の権利は向上していますが、一部地域では性別による不平等が根強く残っています。
課題:
法的枠組みや文化的慣習の改善が必要で、特に女性に対する暴力や差別の撲滅が求められます。
GOAL6. 安全な水とトイレを世界中に
ウェルビーイングとのつながり:
清潔な水と適切な衛生環境は、健康の維持と生活の質に不可欠で、ウェルビーイングを向上させます。
現状:
世界の多くの地域で安全な飲料水へのアクセスが改善されていますが、農村部では依然として多くの人が安全な水を利用できていません。
課題:
水資源の効率的な管理と、インフラ整備の強化が必要です。
GOAL7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
ウェルビーイングとのつながり:
クリーンエネルギーへのアクセスは、生活の質を向上させ、健康や教育の機会を広げます。また、エネルギーの地産地消が進むことで紛争の減少、災害時のセーフティネットが期待でき、平和で安全な社会を築くことができます。
現状:
再生可能エネルギーの利用は増加していますが、エネルギーアクセスにおける地域間格差が大きく、電力を利用できない人が多くいます。
課題:
持続可能なエネルギー技術の普及とインフラ整備が必要です。
GOAL8. 働きがいも経済成長も
ウェルビーイングとのつながり:
働きがいのある仕事は、自己実現と経済的安定を提供し、個人のウェルビーイングを高めます。
現状:
多くの地域で雇用機会は増えていますが、労働環境の改善や非正規雇用の増加が課題です。
課題:
安全で公平な労働環境の整備と、持続可能な経済成長を両立する政策が求められます。
GOAL9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
ウェルビーイングとのつながり:
技術革新とインフラの整備は生活の質を向上させ、より良い雇用機会と社会的進展を促進します。職場でのIT導入が進むことで、労働者の安全が保障されます。
現状:
新興技術の進展が著しい一方で、特に発展途上国でのインフラ整備が遅れています。
課題:
公平な技術アクセスの拡大と、持続可能な産業の発展が必要です。
GOAL10. 人や国の不平等をなくそう
ウェルビーイングとのつながり:
不平等の是正は、社会的調和を促進し、すべての人のウェルビーイングを向上させます。
現状:
世界的な格差は縮小傾向にあるものの、依然として経済的不平等が根強く残っています。
課題:
資源の公平な分配と、社会的セーフティネットの充実が必要です。
GOAL11. 住み続けられるまちづくりを
ウェルビーイングとのつながり:
持続可能な都市計画は、健康的で安全な生活環境を提供し、ウェルビーイングを向上させます。
現状:
都市化が進む中で、住居の不足や交通渋滞、環境汚染などの課題が深刻化しています。
課題:
環境に配慮した都市計画と、公共インフラの整備が必要です。
GOAL12. つくる責任 つかう責任
ウェルビーイングとのつながり:
持続可能な生産と消費は、環境と社会の調和を保ち、将来世代の生活の質を保証します。
現状:
消費行動が大量生産・大量消費型から持続可能なモデルへ移行しつつありますが、まだ途上です。
課題:
資源の効率的な利用と、廃棄物管理の強化が必要です。
GOAL13. 気候変動に具体的な対策を
ウェルビーイングとのつながり:
気候変動は、人々の生活環境や健康に深刻な影響を与え、ウェルビーイングを脅かします。
現状:
世界的な気温上昇は続いており、気候変動に伴う自然災害が増加しています。
課題:
緊急的な温室効果ガス削減と気候変動への適応策が必要です。
GOAL14. 海の豊かさを守ろう
ウェルビーイングとのつながり:
健全な海洋生態系は食料供給や環境保全に寄与し、ウェルビーイングを支えます。
現状:
海洋汚染や乱獲が続いており、生物多様性が脅かされています。
課題:
海洋資源の持続可能な管理と保護が急務です。
GOAL15. 陸の豊かさも守ろう
ウェルビーイングとのつながり:
健全な陸上生態系は、食料、水、空気の質を維持し、人々の健康と生活の質を向上させます。森林や生態系の保護は、気候変動の緩和にも寄与し、地域の持続可能な発展にも貢献します。
現状:
森林破壊、生物多様性の喪失、土壌の劣化が深刻な問題となっており、特に発展途上国での森林伐採や野生動物の生息地の減少が顕著です。
課題:
持続可能な農業や森林管理を促進し、生態系の回復や保護区の拡大が求められます。また、違法な伐採や密猟への対策も重要です。
GOAL16. 平和と公正をすべての人に
ウェルビーイングとのつながり:
平和で公正な社会は、個人の安全や自由を保障し、精神的な安定や幸福感を高めます。また、公正な制度が整備されることで、社会的な信頼感が向上し、ウェルビーイングが全体的に向上します。
現状:
世界の多くの地域で紛争、暴力、腐敗が依然として続いており、法の支配が弱い国では、正義へのアクセスが困難です。特に弱者やマイノリティが法的保護を十分に受けられない状況があります。
課題:
紛争解決の強化や、法的制度の整備、公正な司法アクセスを確保するための取り組みが必要です。また、汚職や権力の乱用を防ぐための監視体制も強化する必要があります。
GOAL17. パートナーシップで目標を達成しよう
ウェルビーイングとのつながり:
グローバルなパートナーシップは、技術、資源、知識の共有を通じて、より公平で持続可能な世界の実現を促進し、全ての人々の生活の質向上に寄与します。協力関係の強化は、貧困や不平等の解消、持続可能な発展において不可欠です。
現状:
開発援助や国際的な協力は進展していますが、特に資金面や技術移転において依然として不足がみられます。また、先進国と発展途上国の間での不均衡も残っています。
課題:
公平で持続可能な国際貿易体制の構築、技術支援の強化、開発資金の増額などが必要です。さらに、民間セクターや市民社会を含む多様なパートナーとの協力関係を強化することが求められています。
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