正解を出す教育が多数派を支持する若者を生んだのだろうか【SDGsログ vol.225】

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正解を出す教育が多数派を支持する若者を生んだのだろうか【SDGsログ vol.225】
なぜ若者の政権支持率は高いのか 学生との対話で見えた、独特の政治感覚

https://globe.asahi.com/article/13770867

※この記事は2020年9月30日付なので、1年以上も昔のものとなります。

「ぼくは選挙に行くとき、候補者の主張を調べはします。でも、どうしても距離を感じてしまうので、多数派から支持を得ている人に投票するようにしています」――。
え、どういうこと?  理由はこうだった。
子育て、年金、医療、働き方……各候補が様々な政策を主張するけれど、どれも「自分ごと」に感じられない。でも、選挙に行かなきゃ大人じゃない。国民の義務を果たしていないと言われたくない。そんなあやふやな考えの自分の1票が変な影響を与えないよう、せめて大多数の支持する「安パイ」に入れておこう。そう考えたというのだ。

国民の義務だから投票をするけれど、自分の一票が「間違えてはいけない」。
だから「みんなが支持する多数派」に投票する。
このように聞こえますね。

大切な一票だからこそ自分の意思で投票する候補を選ぶ。
私たちはそう考えてきました。
ところが、現代では大切な一票だからこそ間違えないようにしなければと考えるようです。

当時、世間を騒がせていた森友・加計学園の問題を議論した。安倍政権を肯定する意見がゼミ生25人の7割を占めた。 「何政権であろうと、民主主義国家としてよくないのでは? 私がそう水を向けると、彼らはきょとんとした顔でこう言うんです。『そもそも、総理大臣に反対意見を言うのは、どうなのか』って」
政権に批判的な残りの学生に対しても、肯定派は冷たかった。「空気を読めていない、かき乱しているのが驚き、不愉快、とまで彼らは言うんです」

寄らば大樹の陰なのでしょうか。
安定した毎日に波風を立てることは歓迎しないという空気がありそうです。
学校教育では「自ら考える」ことを重視しているはずですが、効果がまだ表れていないのでしょうか。

私が現役教師だった頃も似たような経験があります。
国語の記述式解答問題を解かない生徒が圧倒的多数なのです。
聞いてみると「どうせ先生が後で正解を言うから、それを書けばいい」と。

正解だけを求める中では、正解以外のものが切り捨てられます。
また「なぜそうなるのか」というプロセスも軽視され、結果だけが重要視されるようにもなります。
人と違うことを極端に恐れて、自己を抑圧することにもつながりかねません。

「理屈ではなく感覚なんです。安定に浸っていたい、多数派からはじかれて少数派になりたくない。そんな恐怖が少数派は罪という考えまで至るのではないでしょうか」

いま多数派であっても、いつそれが少数派に変わるかわからない。
そうした危険性にも気付いてほしいと強く思います。
だからこそ他人がどうかではなく「自分がどうであるか」を大切にしてほしいものです。

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