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動物たちもこの地球の住民として大切に扱われるべきです【SDGsログ vol.257】
日本人が知らない、養豚の「残酷な現実」…日本ハムが“改善の草分け”になるか?
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/89906
日本の養豚場の90%が採用している「ストール飼育」という飼育方法がある。妊娠ストール、分娩ストールという豚の拘束檻(おり)のことで、肉用にされる子豚を産むための母豚が入れられる。特に妊娠ストールは拘束期間が長いことから問題視され、世界中の養豚場が廃止し始めている。
母豚たちは、後ろを振り向くことも、真横に首を動かすこともできない。当然、歩くことなどできない。地面はコンクリートだ。母豚は人工的に受精させられ、妊娠ストールに入れられ、妊娠期間の100日あまりを過ごす。何もすることがなく、時々落ちてくる餌を食べるだけだ。本来、豚は日中の75%の時間を土壌の探索や採食に費やすのに、飼育下では餌の時間は15分程度で終わってしまう。
なぜこのような状況下で豚を飼育するのか。それはなるべく安く消費者に豚肉を提供するために効率化が最優先されているからだ。糞尿を処理しやすいよう排泄の場所を定位置で固定させることができる。
「工業的畜産」という言葉をご存知でしょうか。
集約畜産とも言われ、コストを最小限に抑えつつ生産を最大化することを意図した畜産の取り組みを指す言葉です。
工場畜産という呼ばれ方もします。
動物たちを、かけがえのない生命を持つものではなく、あたかも工場の生産物のように扱う畜産。
当然のことながら効率が最優先で、動物たちへの配慮はありません。
こうした現状に対して、いま「アニマルウェルフェア」という考え方が大切にされています。
人間が動物たちに与えるストレスや苦痛をできる限り軽減し、生命の尊厳を守ろうというものです。
世界的に大きな動きとなっており、前述のストール飼育は多くの国で禁止されています。
こうした中で、アニマルライツセンターが「Good News!」と称賛する出来事があった。大手食品加工メーカーでハム・ソーセージ加工でも首位に立つ日本ハム株式会社が11月11日に妊娠ストールフリーを表明したのだ。
「アニマルウェルフェアポリシー」を制定し、具体的な取り組み目標を発表した。2030年までに国内の全農場の妊娠ストールの廃止に加えて、2023年度末までに全処理場内の係留所に飲水設備の設置(牛・豚)、2023年度末までに全農場・処理場への環境品質カメラの設置も掲げた。
大手メーカーである日本ハムが改善に乗り出したことは大きな一歩です。
これをきっかけに他の企業も同様の取り組みをしてくれることを期待したいものです。
一つ忘れてはいけないのは、こうした効率優先の工業的畜産の根本的な原因です。
私たち消費者が、より安い食肉を求めることが、実はこの工業的畜産を支えているのです。
安いモノばかり買い求める消費者への消費者教育も重要だ。SDGsやエシカル消費(倫理的消費)の重要性は急速に高まってきている。業界も政治家や官僚に頼らず、日本ハムのように市場の動き、世界情勢、消費者の関心にもっと目を開き、新たなビジネスチャンスを開拓する勇気を持つべきだろう。
私たちの日常の積み重ねが社会をつくります。
どこでどのようなものにどれだけのお金を払うのか、よく考えて選択する必要があります。
「エシカル消費」という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。
私たちの毎日の買い物は、持続可能な未来への投票と同じです。
自分のお金がどう使われていくのか、買い物の際に気にかけておきたいですね。
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