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AIは仕事を「奪う」のではなく「つなぐ」鍵になる【SDGsログ vol.285】
食品製造自動化へ「ベテランの勘」をAIで 【世界に挑む⑥】
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/858335/
180度で揚げられた厚揚げが次々にベルトコンベヤーで急速冷凍工程へ運ばれていく。銀色に輝く真新しい生産ラインで働くのは全身白衣姿の3人。最後の検品までをカバーする。
豆腐や厚揚げなどの製造販売で九州トップシェアの地場大手食品メーカー「三好食品工業」(福岡県田川市)の第5工場内部。食品業界は「生産性が低い」とされるが、最新鋭の機器が並び、自動化は業界水準を超える。
ただ、社長の三好兼治(56)は「まだまだ」と不満顔だ。三好が描く近未来の工場は、人工知能(AI)が全てを管理し、人は監視業務のみ行うというもの。その第一歩となる取り組みを新年度から始める。
AIを一部導入した新たな生産管理システムに移行し、従業員を3分の2に減らしながら、生産能力を1・3倍に引き上げる。矛盾するようにも聞こえるが、人件費の無駄を生みやすい「ある商習慣」への対応によって勝機はあると踏む。
福岡の豆腐屋「三好食品」さんがAIを使ってさらに飛躍しようというニュース。
タイトルには「ベテランの勘」。
てっきり豆腐製造の「匠の技」をAIが代替するという話かと思ったら、そうではありませんでした。
豆腐製品は賞味期限が短く、「毎日注文、毎日納品」が原則。スーパーなどから注文された商品を確実に納品するには、注文量を予測し、生産を先取りして進めておく必要がある。このため、工場では、数週間分の需要量を予測して必要な人員を事前に配置している。
予測はベテラン従業員の長年の勘に頼るところが大きい。ただ、その日の天候や気温によって注文量が大きく増減するのが豆腐業界。急な気象の変化で、予測より注文が少なく、結果的に人の配置が過大になるケースもある。そうした無駄を軽減するため、三好が着目したのがAIによる深層学習(ディープラーニング)。大量のデータを学ばせることで人間には分からない特徴や傾向、規則性などを導き出す最新技術だ。
AIが担当するのは、天候によって変動する注文量の予測です。
確かにこれならまさにAIの得意とするところ。
ここに着眼した社長の先見の明に敬服します。
「ベテランの技」という言葉をよく耳にします。
もちろん一つのことを長年継続してきた人だけができる技術的なものが多いでしょう。
しかし、中には今回のように長年の経験によるデータが基となっているものもあります。
私の知り合いに素敵な洋菓子をつくるパティシエさんがいます。
彼のもとには菓子職人を目指す若い人たちが集まっています。
その人たちが彼の技を会得するためには、データ化が必須です。
彼一人であれば「勘」で済ませてしまえます。
しかし彼の技術を次の人たちに伝えるためには数字が必要です。
砂糖の量も「このくらい」ではなく「○○グラム」と表わさなくていけません。
一見すると面倒な作業に思う方もいるかもしれません。
しかし、技を体で覚えるやり方で職人一人育てる手間に比べたらどれほど効率的か。
データ化するということは次の世代をつくるということもあるのです。
少子高齢化により伝統産業の担い手不足が課題となっています。
匠の技をデータ化することで後継者育成につなげることができれば。
AIは私たちの仕事を奪うのではなく、私たちの仕事をつなげてくれるのかもしれません。
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