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市町村でこどもを奪い合う現状は本質を見失っている【SDGsログ vol.355】
基山町が18歳以下の医療費無料化へ
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/827018?
三養基郡基山町は18日、町内在住の18歳までの子どもの医療費を4月から完全無償化すると発表した。医療機関での支払いや役場での申請の必要がない現物給付方式で実施する予定で、同町は「子育て世代への一層の支援になる」と話している。
一見した時は「いいニュースだな」と思ったのですが、ここにひっかかりました。
結びの文に「子育て世代が町内へ移住するきっかけとしても期待している。」と。
子育て世代を他の市町村から奪うための医療費無料化なのでしょうか。
自治体ごとに子どもを奪い合う構図には「自分の地域さえよければ」という意識が見えてしまいます。
この考え方では、自ずから地域による格差が生じ、どこかに取り残された人をつくります。
本当にそれが自治体の目指す未来像なのでしょうか。
自治体による格差をなくすためには、医療費無料化については国が主導すべきであるよう思います。
しかし、これはあくまで一つの事例に過ぎません。
根底にある「隣の町よりウチの町が上」という発想自体に転換が必要です。
隣接する地域をライバルと捉える視点から、隣り合うパートナーとしての視点へ。
そして、広域連携による地域活性化によって、様々な課題を協力して乗り越えていく。
これからの地方自治はこの方向に進むべきだと私は思っています。
大切なのは、隣の町から子どもを奪うのではなく、誰でもが安心して医療を受けられる社会の実現のはずです。
その本義を踏み外すようなことがあってはいけません。
ライバルからパートナーへ。
どうかこの意識モデルの変容を、自治体職員の方々には期待したいところです。
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