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働き方のバラ売りは人を幸せにするのか【SDGsログ vol.320】
時間に縛られず近所で就労を実現するサービス、リクルートが事業化した発端
https://newswitch.jp/p/30717
リクルートが新しい働き方を提案している。空いた時間に好きな時間だけ近所で働く形態で、これを実現するのがマッチングサービス「エリクラ」だ。育児などで会社や店舗が指定する時間の枠で働けない人やシニアらの支持を集め、登録者が急増。人手不足が叫ばれる中、国内に眠る未活用労働力の掘り起こしに一役買っている。
この記事を読んで、とても良い発想だと思うと同時に、モヤモヤしたものを感じました。
確かに、すき間時間を有効活用して収入を得られるなど利点も多いでしょう。
しかし、本当に多くの方が幸せになれる取り組みなのでしょうか。
AIなどの進化によって人間の仕事が奪われるかもしれない。
こうした不安を抱える人は少なくありません。
今後は、機械ではなく人間でなければできない仕事が重要になってくると考えるのが一般的です。
ところが、今回の「エリクラ」のようなすき間時間を活用した働き方を喜ぶ人も少なくありません。
きちんと説明を理解すれば誰でもができる単純労働が中心です。
実にお手軽にお小遣い程度の報酬を手にすることが可能です。
導入する企業が多いということは、企業側のメリットが大きいことは言うまでもありません。
それでは、働く側にとってはどうなのでしょうか。
本当にメリットの方が大きいと言えるのでしょうか。
企業と雇用契約を結び、フルタイム勤務が当たり前だったことに比べれば、非常に自由度の高い働き方です。
組織に縛られることを嫌う若い世代にも魅力的に見えるかもしれません。
高齢者にとっても、社会とのつながりを実感できる機会として重宝されるでしょう。
ただし、自由度が高いということは、いつでも代わりが用意されていることでもあります。
その仕事をするのがあなたである必要はどこにもありません。
働く上でのアイデンティティは果たしてそこにあるのでしょうか。
若者世代の貧困が大きな課題となっていますが、そこにも結びつく懸念があります。
簡単に生活費を稼げる構造が非正規雇用の増加につながりはしないでしょうか。
将来のある若者を、企業にとって都合のよい使い捨てにさせてはいけません。
もちろん若者世代の意識も重要ですが、それ以上に受け皿としての社会のシステムをしっかりと整備する必要があるように思います。
正規雇用の社員として若者を受け入れる覚悟が企業側にあるのか。
そして、そういう企業をしっかりと支えていく社会を私たち一人一人が作っていけるのか。
みんなが自分ごととして考えない限り、若者の貧困はなくならないと私は思います。
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