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原発が本当に安全なら熱源としての利用も可能【SDGsログ vol.281】
石炭削減効果10万トン…中国で話題「ゼロ・カーボン暖房都市」って?
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/856860/
【北京・坂本信博】中国北部などで冬季に暖房用の石炭の需要が増す中、原子力発電所の排熱を使って市街地に暖房を供給する新たな原子力暖房システムが山東省や浙江省でこの冬から稼働し、話題を呼んでいる。山東省海陽市は「中国初のゼロカーボン暖房都市」として年間約10万トンの石炭使用量を削減する効果が見込まれており、中国各地に広がる可能性がある。
原発からの排熱を利用したセントラルヒーティングということですね。
それが可能なほど原発の排熱は大きな熱量を持っています。
原子力も火力も、ボイラーを利用してタービンを回して発電します。
当然のことながら高熱になった部分を冷却することが必要で、それには海水を利用しています。
日本の原発がすべて海沿いに建設されているのはそのためです。
冷却した後に排出されるのが「温排水」と呼ばれるものです。
ネットで調べてみると、毎秒70トンの温排水が放出されているそうです。
「原発温廃水が海を壊す」
https://imidas.jp/jijikaitai/k-40-059-10-03-g112
毎秒70トンというのは日本でも有数の河川の水量に匹敵します。
つまり、原発を作ると温かい水が流れる川が地域に一つ増えるのと同じことになります。
これが生態系に何も影響を及ぼさないとは断言できないでしょう。
このように厄介者の原発の排熱。
その巨大なエネルギーを転用したのが、今回の記事にある中国の事例です。
本当に原発が安全なら、この排熱を熱源として利用してはどうでしょうか。
市街地に原発を建設し、セントラルヒーティングなどに利用するという考え方です。
でも、現実にはそうはなりません。
なぜなら原発は本当に安全とは言えないと誰もが思っているから。
電力の最大の消費地である東京に原発を建設すれば、送電の面でも効率的なはずです。
私たちは、自分の必要とする電気は欲しがりますが、発電所はいらないと思っているのです。
政府はカーボンニュートラル実現を掲げて、そこに原発の有効活用も含めています。
原発があることによって、自然エネルギー導入が遅れてしまうという指摘もあります。
私たちの持続可能な未来に向けて本当に必要なものは何か、しっかりと議論する必要があるのではないでしょうか。
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