【SDGsログ vol.174】同調圧力が日本人の幸福度を下げる?

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【SDGsログ vol.174】同調圧力が日本人の幸福度を下げる?
「一人で車を運転していてもマスクをする」日本人の幸福度が世界62位に沈む本当の理由

https://president.jp/articles/-/49980

2020年の世界幸福度ランキングで、スイスは3位で日本は62位だった。『Think Clearly』(サンマーク出版)著者でスイス在住の作家、ロルフ・ドベリ氏は「日本人はマスクを着用する必要がない状況でも、周りからの目を気にして誰もがつけている。これが日本人の幸福度が低い原因ではないか」という――。

タイトルにひかれて記事を読むことになりました。
というのも、1人で車に乗っているのにマスクをしている方をよく見かけていて、「この人はどうして1人なのにマスクをするのだろうか」という疑問をずっと抱えていたからです。

まず最初に語られるのは「能力の輪(circle of competence:自分がよく理解できている得意な分野)」をもつべきだということです。
そして自身の「能力の輪」とは無関係のものには必要以上に深く関わるべきではないと続きます。

西洋には「自分が影響を与えられないことは気にするべきではない。自分が影響を与えられることだけに集中すべきである」というストア派の哲学があります。
例えば、アメリカ人でもないし投票権もない人が、アメリカの大統領選挙の結果に心を乱される必要はないと語られます。

この流れの中で、日本を含むアジア諸国の同調圧力に言及されます。

——たしかに日本人は基本的にフレンドリーかもしれませんが、一方で社会における同調圧力の強さが指摘されています。心の奥底では反対していても、表向きは賛同しているふりをして、他人と同じような行動をとりがちです。たとえばマスクを着用する必要がない状況でも、周りからの目を気にして誰もがつけています。
同調圧力は日本だけではなく、アジア諸国のほとんどに存在している気がします。ヨーロッパには、17世紀後半に始まった啓蒙時代から今日まで、それまで主流とされていた思想や宗教を自己批判する文化が根づいています。ただ、アジアはそうではありませんよね。ですから、なかなか変えられるものではないでしょう。
ただしそれが合理的である場合、同調するのは必ずしも悪いことではありません。とくにパンデミックのいまは、アジア諸国の同調圧力はいい方向に働いているように思えます。

——スイスで暮らしていて、同調圧力を感じることはありますか?
まったくありませんね。我々が特定の行動をとるのは、他の人全員がしているからではなく、その行動に意味があると思うからです。私の自宅の近くには中国やトルコ、日本などアジア諸国の大使館がありますが、職員たちは車を1人で運転しているときでさえマスクをつけています。まったく意味がなく、正直に言って理解できません。
もちろん私も、屋内にいるときや近距離に人がいるときはマスクを着用します。でもあなたが言うような「必要がない場合でも批判を恐れて行動する」という意味の同調圧力を感じたことはありません。それがヨーロッパの考え方です。

これまでの思想や宗教の歴史を引き合いに出しながら、同調圧力について語られています。
私個人としては、狩猟民族と農耕民族という歴史も深く関係しているように思っています。
農耕社会においては、集団がまとまって行動する必要がありました。
集団でなければできないことが多く、個人の勝手が集団に大きなマイナスをもたらすことがあるからです。

その意味では、同調圧力は必要があって社会に根付いたものです。
ただ、それは行き過ぎると、個人の自由を疎外し幸福度を下げることにもつながります。

2020年3月に発表された「世界幸福度ランキング」において、スイスは3位、日本は62位でした。
この差はどうして生じたのかという問いに対しては、このように答えています。

私は幸福についての専門家でもありませんので、スイスの経済学者ブルーノ・フライ(チューリッヒ大学教授。著書に『幸福度をはかる経済学』NTT出版)の研究を参考にしましょう。彼は、幸福度を測る重要な要素の一つは、市民がどれくらい政治や社会に影響をもつことができるかである、と述べています。
スイスでは毎週のように、何かしらの社会問題について住民投票が行なわれます。たとえば市が路上に花を植える際、橋の向こう側に植えるかこちら側に植えるか、といった事項も住民投票で決定する。市民が政治に対して、大きな発言権と影響力をもっているのです。その姿はまるで、「democracy on steroids(ステロイドに依存した民主主義:極端な民主主義)」と言っても過言ではない。面倒にも思えますが、こうした面倒がスイスの幸福度を高めているのでしょう。

自分自身が、社会に対して影響を与えているという認識と責任。
これこそが幸福度のベースになっている
ということですね。

日本の場合は、同調圧力の源としての帰属意識は高いのかもしれませんが、
自分自身が影響力をもって社会を形成しているという意識は希薄です。
だから「他から批判されない」ことを優先して、ひとりでいる時もマスクをする。

社会に対して受け身でいるのではなく、主体として社会に関わること。
これが日本人の幸福度を上げることになるということです。

確かにそうかもしれません。
まずは投票を通じて、社会への影響を実践していく人が増えてほしいものです。

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