先日、福岡のKBCシネマで『発酵する民』という作品を観てきました。
監督からのダイレクトメールでのご案内がきっかけです。
作品紹介は以下の通りです。
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海と山に囲まれた古都・鎌倉。
2011 年、このまちを「脱原発パレード」で歩いた女性たちが「イマジン盆踊り部」を結成した。
彼女たちは、日々の生活の中で浮かび上がってくる思いを唄にして踊り始める。
お酒や味噌、パンづくりから生まれた「発酵盆唄」
海水を汲み、薪で火を炊いて塩をつくる「塩炊きまつり」
やがて、風変わりな唄と踊りが人びとをつなげ「平和」の輪を描いてゆく。
この映画は、3.11 後の鎌倉や葉山での「生活」を描きながら、個性溢れるパン屋や酒蔵も取材。
微生物たちの「発酵」の世界や、太陽系の惑星の動きが交差する。
そして、人や地域文化がゆっくりと変化していく様子をまるで「発酵」していくかのように映し出す。
東日本大震災・原発事故から11年。あの時に生まれたものは、今も確かに続いている。
音楽やアート、 ジャーナリズムなど異なるジャンルが映画の中に入り込んだ鎌倉発「発酵」ドキュメンタリー!
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正直な話、そこに登場するのはヒッピー的な生活をしている人が少なくありませんでした。
私も含めて、おそらく同じような生活はできないと感じるのではないでしょうか?
ただ、強く心惹かれるのは、そこに温かいコミュニティが見えているところ。
人と人とがつながりあい、様々なものがその間を循環する様子がはっきりと見えます。
作中にこんなセリフがありました。
「一直線に進もうとする世界では終末感が生じる。循環的な発想ができれば、未来への展望も開ける。」
地域活動では、「コミュニティデザイン」「ネイバーフッドデザイン」という言葉がよく使われます。
この作品は、まさにそれを描いているのですが、「発酵」という言葉にすべてを集約させているところに感動を覚えました。
微生物が有機物を分解して、人間にとって有益なものが生まれるのが「発酵」です。
人間にとって有益でない場合、これは「腐敗」となります。
地域活動は、味噌やパン作りにおける発酵そのものです。
米や小麦粉、大豆、塩などの素材にあたるものはすべて地域に備わっています。
そこに酵母を入れて働かせることで、発酵にも腐敗にもなる。
また発酵にはある程度の時間がかかるというのも、まさにまちづくりの現場で日々感じることです。
地域にいる人と人がつながり、そこに何かしらの働きかけがあって、少しずつまちや人が変わっていく。
その結果として私たちにとって有益な社会が作り出される「発酵」のまちづくりができれば、とても素晴らしいことですね。
映画『発酵する民』公式HP
https://fermentfilm.com/
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