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ギロチンで失われた有明海の子宮【SDGsログ vol.360】
【速報】国の請求認め、諫干開門命令「無力化」 請求異議訴訟差し戻し控訴審判決
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/896554/
国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)を巡り、潮受け堤防排水門の開門を命じた確定判決の「無力化」を国が求めた「請求異議訴訟」の差し戻し控訴審判決で、福岡高裁は25日、国の請求を認め、「開門の強制を許さない」とする判決を言い渡した。この判決が確定すれば、開門確定判決は事実上、効力を失う。「開門」「非開門」の相反する司法判断が並立してきたねじれ状態は解消され、漁場回復のために漁業者側が求めてきた開門の実現は一層遠のくことになる。
建設前から賛成派、反対派に分かれて争われてきた諫早湾の潮受け堤防工事。
20年経った今も、大きな分断を生んだまま解消できていません。
私自身も「ギロチン」のおぞましい光景がいまだに脳裏に焼き付いて離れません。
大規模な公共事業が、時代に取り残されていく典型的な例なのかもしれません。
もともと諫早湾干拓は、1950年代の食糧難時代に、水田を増やすために発案されたものでした。
ところが、その後に米余りの時代を迎え、目的が不鮮明になっていきます。
そして、いつの間にか水害や塩害防止という目的にすり替えられ、1997年にあの「ギロチン」工事が行われました。
一度走り出した公共事業は、その目的を失っても「事業を完遂する」ために止めることはできないという側面を明らかにしたと言えるでしょう。
私が暮らす柳川市の方から以下のような話を伺ったことがあります。
「うちのおじいちゃんがこんなことを言っていました。『諫早湾は女性の子宮と同じだ。あそこから新しい生命が生まれてくる場所だった。そこをふさいでしまったら有明海は死んでしまう』と。」
残念でならないのは、対話によって、よりよい方法が生み出せなかったことです。
農業者と漁業者が双方に納得できる形で事業を行うことは、本当にできなかったのでしょうか。
私の独断ですが、最初から工事ありきで始まったような感じがしてなりません。
「ギロチン」はわずか45秒の出来事でした。
一度人間が手を加えた自然が元どおりになるためには、気の遠くなるような時間が必要です。
大規模な工事であればあるほど、自然への畏怖を忘れずに、100年の計として進めてもらいたいものです。
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